焙煎について(2)
テーマ:焙煎度とモコモコ
新鮮なコーヒー豆はお湯をかけると膨らむ?
新鮮なコーヒー豆を挽いた粉にお湯をかけるとモコモコと膨らむことがあります。見ていると意外に癒されるものです。では、なぜこのように膨らむのかを考えてみます。今回は、その辺のことをつらつらと。
粉はなぜ膨らむのか
コーヒー豆は、焙煎することで豆の内部にガスが生成されます。ざっくり言うと粉を挽いた時に香りのもとになったりするものです。このガスがお湯で一気に温められることで膨張することになります。よって、ガスがあるうちは基本的に膨らむことになるのですが、時間とともに豆の状態でもガスは勝手に放出されていき、粉に挽いた場合は更に放出スピードが増加します。豆のままの方が、粉に挽いたものよりも香りが長持ちするというのは、このあたりにも一因があります。
焙煎方法や手順で一義的には言えませんが、大雑把に言うと、そのガスは焙煎時間が長い(煎りが深い)と多く溜まり、短い(煎りが浅い)と少なくなる傾向にあります。
深めに焙煎された豆
深めに焙煎されたコーヒー豆はふっくらと大きくなり、ガスがたくさん含まれています。よって、焙煎後すぐから比較的長い時間モコモコ膨れてくれます。当店では、フルシティローストやシティローストのものが該当します。他にもアイスコーヒーやカフェオレでもよく使われているフレンチローストや、苦味のきいたエスプレッソで有名なイタリアンローストなどがあります。
浅めに焙煎された豆
浅めに焙煎されたコーヒー豆は、焙煎時間が短く発生するガスが割と少ない感じになります。そのため、焙煎後すぐは膨らむのですが、少ないガスは比較的早い時間で放出し、膨らみにくくなります。当店では、ミディアムローストやハイローストのものが該当します。これらより浅いライトローストやシナモンローストはあまり出回っていないようですが、さらに膨らみ難くなります。
その他の膨らまない状況
ちょっと焙煎からは逸れますが、焙煎ではない部分での膨らみにくい状況をいくつか挙げてみます。コーヒーを抽出する流れに沿って説明します。
まず豆を挽きますが、粗挽きにすると膨らみにくくなります。これは、細挽きに比べ粉の表面積が少なく、ガスが放出しにくくなるためです。
次にお湯を注ぎ抽出をしますが、この時ゆっくりゆっくりと(例えば点滴のように)お湯を注いでも膨らみにくくなるようです。お湯を注ぐ速度が遅いと、ガスもゆっくり少量で放出され粉を膨らませず抜けていくのではないかと思います。
更に、そのお湯の湯温が低温のときもガスの放出量が減り、粉の膨らみが弱いようです。
あと、当店で取り扱っているカフェインレス豆は、カフェインの除去処理を行う段階が影響しているのか膨らみにくく思います。原因は定かではありませんが・・・。
まとめ
新しく深めに焙煎した豆は、良く膨らむので新鮮であることがわかりやすいです。しかし、焙煎度や挽き方、抽出状況など条件によって、新しいものでもガスが発生しにくかったり放出量が少なかったりと、モコモコが膨らみにくい場合もあるようです。
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